「クリスマスメッセージ」
ゼファニヤ書 3:14 -20, ルカ福音書 2:1-14
December 19, 2021 / CAN
Rev. Shihoko Warren
Introduction
今日は、教会の子どもたち・ユースが、クリスマス礼拝を準備し、導いてくれています。とても喜ばしく、神と子供たち・ユースに感謝いたします。今日は、子供たちも一緒の礼拝なので、2つのポイントだけに焦点を当てた、短いシンプルなクリスマスメッセージをします。
1.クリスマスを祝う理由 ― イエスの名前:
最初のポイントは、なぜクリスマスを祝う理由についてです。
クリスマスは、一体誰の誕生を祝うものですか? これはきっとほとんどの人が知っていることでしょう。
そうです!イエス・キリストの誕生です! 2千年以上の間、人々は、イエス・キリストの誕生を祝い続けています。今日もそうですね。私たちが住む町や市、このバンクーバー市を見ても、人々は、美しい飾りやイルミネーションをし、クリスマスツリー、おいしい食事、他者への心のこもった贈り物などを用意して、クリスマスを祝っています。
おそらく、多くの人は、なぜイエスの誕生をそこまで祝うのかその理由は、知らないことでしょう。
なぜ私たちは、イエスの誕生を祝うのでしょうか?
その理由は、とても簡単です。その答えは、「イエス」の名前に見つけることができます。
「イエス」の名前の意味を知っていますか。
「イエス」という名前は、へブル語の「ヨシュア」(英語では‘Joshua’)から由来し、「神は救う」という意味です。
マタイ福音書(1章)では、天使が、イエスの地上の父ヨセフの夢に現れてこう伝えました。
「マリアは男の子を産む。その子をイエスと名付けなさい。この子は自分の民を罪から救うからです。」(21節) また、天使は、「その名はインマヌエルと呼ばれる」(23節)とも言いました。「インマヌエル」とは、「神は私たちと共におられる」という意味です。
イエスの名前は、「私たちを救うために、神は私たちと共におられる」という意味です。イエスは、私たちを救うために、そして永遠に私たちと共にいるためにこの世に生まれてくださったのです!これが、クリスマスを祝う理由です。クリスマスは、神がすべての人一人一人をとても深く愛しているという印(証)なのです。 神は、私たちと常に親密になりたいと切望しておられるのです。それゆえに、神は御子イエスを、私たちのただなかに送り、イエスは、私たちのただなかで私たちと同じ人間の姿で、誕生してくださったのです!
今日ここに集う子供たち、ユース、そして大人の皆さん。 どうかこれらのことをいつも覚えてください。
何があっても、あなたは神に深く愛されているということ、 私たち一人一人は、神の栄光を反映する傑作として、それぞれユニークに創造されているということ、そして、 救い主なる神は、常にあなたと共におり、決してあなたを見捨てることはないということを、 このクリスマス、心に刻みましょう!
今日の聖書箇所ゼファニヤ書 3:14&17は、このように述べています。
「あなたがたは、喜び歌いなさい。心の底から喜び躍りなさい。あなたの神、主は、あなたのただ中におられるのです。救い主はあなたに勝利を与えられる。主は、あなたのゆえに喜び楽しみ、その愛によってあなたを新しくされる。主は、喜びの歌を高らかに歌って あなたのことを喜ばれる。」
クリスマスとは、神が私たち人間を深く愛しておられること、神が私たちの存在を喜び、私たちを救うために、いつも共におられることを発見することです。
これこそが、クリスマスの良い知らせです。今日のルカ福音書2章を再び読みましょう。
天使は羊飼いたちに言いました。「恐れることはありません。今、私はこの民全体のためのすばらしい喜びを知らせに来たのです。きょうダビデの町で、あなたがたのために、救い主がお生まれになりました。この方こそ主キリストです。 あなたがたは、布にくるまって飼葉おけに寝ておられるみどりごを見つけます。これが、あなたがたのためのしるしです。」 (10-12節)
私たちが今日覚えるクリスマスメッセージの最初のポイントは、イエスの誕生、イエスの十字架の死と復活は、私たち一人一人、そしてすべての人を深く愛されている神の印(証)であるということです。クリスマスは、救い主イエスが私たちと共にいつまでもおられるという証拠なのです!
2.私たちの生き方-使命
第2のポイントは、私たちが、このイエスと共にどのように日々生きるかについてです。
毎年、クリスマスまで1週ごとに灯すアドベントキャンドルの1本1本の名前を覚えていますか。
「希望」、「平和」、「喜び」、「愛」、「キリスト」の5本のキャンドルです。
この5つの単語を、是非皆さんには、いつも覚えて歩んで頂きたいです。なぜなら、この5つのシンプルな単語には、クリスマスの中心メッセージのみならず、聖書全体・キリスト教の中心的教えがあるからです。
さらに言えば、この5つの単語の中に、私たち人間の人生の意味があるからです!
何十世紀にわたり、多くの哲学者や博識な人たちは、「なぜ人間は生きるか」の問いを考え続けています。
しかし、実は、その長年にわたる問いの答えは、この5つの単語のなかに見出すことができます。
「イエス・キリストは、私たちの希望、平和、喜び、愛である」ことをいつなんどきも覚えてください。
このシンプルな1文に、すべての真理が要約されているからです。
「イエス・キリストが、私たちの希望、平和、喜び、愛である」理由は、救い主イエスが、私たち人間のただなかに生まれ、すべての人のために神の国の福音をもたらし、すべての人が罪、悪、死から救われるために
十字架にかかり身代わりに死んでくださったこと、そして3日後によみがえり、今も永遠に生きておられ、
また、再び来られるからです!
そういうわけで、天使は、羊飼いに「恐れることはありません。今、私はこの民全体のためのすばらしい喜びを知らせに来たのです。きょうダビデの町で、あなたがたのために、救い主がお生まれになりました。この方こそ主キリストです」(ルカ福音書2:10-11)と宣言したのです。
この後、喜びの知らせを聞いた羊飼いたちはどうしたのでしょうか。
その続きのルカ福音書2:15-18、20を読みます。
「御使いたちが彼らを離れて天に帰ったとき、羊飼いたちは互いに話し合った。「さあ、ベツレヘムに行って、主が私たちに知らせてくださったこの出来事を見て 来よう。」 そして急いで行って、マリヤとヨセフと、飼葉おけに寝ておられるみどりごとを捜し当てた。それを見たとき、羊飼いたちは、この幼子について告げられたことを知らせた。 それを聞いた人たちはみな、羊飼いの話したことに驚いた。 羊飼いたちは、見聞きしたことが、全部御使いの話のとおりだったので、神をあがめ、賛美しながら帰って行った。」
羊飼いたちは、イエスを求めて探しに行きました。そして、イエスに出会うと、喜びの知らせを他者に分かち合い、神を賛美し礼拝しました。
私たちの人生の目的は、この羊飼いのようになることです。神を賛美し礼拝し、イエスの証人となり、そして、キリストにある「希望」「平和」「喜び」「愛」を他者と分かち合うことです。
キリストにある「希望」「平和」「喜び」「愛」は、何物にも打ち勝つのです。どんなに世界が悲惨と苦難のなかにあっても、「キリストの希望、平安、喜び、愛」は決して絶えることがないのです。
私の息子が2001年9月に誕生した時、911事件が起こった直後で、全世界は、大きな動揺と苦しみに包まれ、混沌とした状況でした。 さらにちょうどその時、私たちが住んでいた東京エリアに100年に一度とも言われるほどの台風による災害が起こりました。(8人死亡、約1800棟の水害、土砂災害)。先月BC州で起こった洪水、土砂災害のような事態でした。
そのさなかに生まれた息子を抱えた私たちに、何人かの方々が、「あなたたちの赤ちゃんが、こんな混沌とした、将来に希望がもてない世の中に生まれて、なんとも哀れで悲しくなる」と言いました。
しかし、私は息子が誕生したとき、何物も奪うことができない神にある「喜び」「希望」「平和」「愛」に包まれたのを決して忘れることができません。世界は、悲惨な出来事と大災害のさなかにあったにもかかわらず、
一人の人間の命の誕生は、神聖であり、神の栄光に満ちていました。
咲花ちゃんもそうです。全世界が不安定な状況にあるパンデミックのさなかに生まれました。しかし、彼女の誕生、生命、存在は、決して変わることがない神の「愛」「喜び」「平和」「希望」を、両親、家族、信仰の共同体にもたらしています。
そして、ここにおられる皆さん全員も同じです。あなたの誕生、生命、存在は、神の「愛」「喜び」「平和」「希望」を現わしているのです!
ヨハネ福音書は、イエスの誕生を「すべての人を照らす、闇に輝くまことの光が世に来た」と描写しています。
「この方にいのちがあった。このいのちは人の光であった。光はやみの中に輝いている。やみはこれに打ち勝たなかった。」(1章4-5節)
イエス・キリストにある「平和、希望、喜び、愛」から、何も私たちを切り離すことはできません。 死さえも、これらを私たちから奪うことはできません! キリスト者は酷い状態の中に置かれても、キリストの「平和」「希望」「喜び」「愛」を保つことができるのです。 キリストのまことの光をもつ私たちは、世が絶望の闇にいるとき、 キリストの光を照らし周りを明るくすることができるのです。 試練や困難、思いがけない不幸の出来事などで 悩み苦しむ人たちに、キリストの「平和」「希望」「喜び」「愛」を分かち合うことができるのです。 キリストの光は、闇に輝きすべての人を照らすことができるのです。ですから、決してあきらめずに、これらを分かち合い続けて生きていきましょう。
結び
最後に、今日のクリスマスメッセージの2つのポイントを再び覚えましょう。
1つは、イエスの誕生、イエスの十字架の死と復活は、私たち一人一人、そしてすべての人を深く愛されている神の印(証)であるということです。クリスマスは、救い主イエスが私たちと共にいつまでも共におられるという証拠なのです!
2つ目のポイントは、「イエス・キリストが、私たちの希望、平和、喜び、愛である」ことです。そして、私たちの生きる目的は、羊飼いのように、神を讃え礼拝し、イエスの証人となり、「キリストの希望、平和、喜び、愛」を他者と分かち合って生きていくということです。
「イエス・キリストはいのちであり、その命は、すべての人を照らすまことの光である。その光は、やみの中で輝いている。やみはこれに打ち勝つことが決してできない。」(ヨハネ福音書1:4-5) アーメン!